イヤーピース自作の手順

まえがき

プアオーディオ派として避けて通れない、イヤーピース自作の手順を紹介してみる。

コンプライは1ペア500円ぐらいする。
自作するとはるかに安上がりなので、暇があれば挑戦してほしい。

ただし、イヤーピースは耳の奥まで入れるものであるから、すっぽ抜けると最悪病院行きになることを理解した上で、自己責任で作成してほしい。

準備物

(左から)熱収縮チューブ、竹串、ライター、ハサミ、穴あけポンチ、トンカチ、捨て板
基本的には上記の写真にあるような、どこのご家庭でもある工具と接着剤(写真に撮り忘れた)があればイヤーピースを自作できる。

熱収縮チューブがない場合は、イヤホンに合う適当なイヤーピースからチューブ部分だけ分解してリサイクルしてもよい。
なお、イヤーピース自作ではチューブを省略しているものが多いが、すっぽ抜けの確率が高まるのでおすすめしない。

捨て板は穴開け時に机や床を保護するためのもの。ある程度の厚みがあれば、かまぼこの板でも雑誌でも何でもOK。

イヤホンとイヤーピースの材料になる耳栓
耳栓は低反発のものを選ぶ。ここでは、以下の2種を用意した。
  • 3M社の1100(見た目が派手、装着感がよいが、遮音性はそこそこ)
  • Moldex社のCamoPlugs(見た目が地味、装着感がやや劣る、遮音性は高い)

通販だと5ペアか10ペアで売っている事が多く、1ペア50~100円ぐらいで入手できる。
Moldexなら複数種類が1ペアずつ入ったお試しセットもあるので、まずはそれで作ってみると最適な耳栓が見つかると思う。

イヤーピースを作成するイヤホンはオーディオテクニカのATH-CK100とした。すでに純正イヤーピースはディスコン(廃版)となっており、入手できないため。

作成手順


竹串に適当な長さの熱収縮チューブを通して、ライターで熱する
このときに、対象のイヤホンにチューブだけ差し込んでみること。
ある程度、きつくないとイヤーピースが外れるおそれがあるので、微調整する。
チューブが縮みすぎる場合は竹串に適当な紙を巻き、そこにチューブを通して熱すると良い。


耳栓を切る
耳栓が長すぎると音がもやっとする上に低音が強調されてしまうので、適度な長さにすること。

耳栓を立てる

上から垂直に潰す

潰れている間にポンチをトンカチで叩いて中心に穴を開ける
とにかく、潰してからの作業は急ぐこと。
さもないと、耳栓が膨らみ、垂直に穴を開けるのが難しくなる。


穴を開けたところ

耳栓に接着剤を少量流し込む
接着は穴を開けてから、しばらく待って元の大きさになってから行うこと。


熱収縮チューブを押しこむ
このとき、チューブを0.5mmぐらい露出させておくと、イヤホンへの装着が楽になる。


チューブ内に接着剤がある場合は竹串で拭っておくこと
このとき、あとは、接着剤が固まるまで待って完成。



イヤーピースのテスト(重要)


※耳の中から取れなくなる危険があるので、使用前のテスト必須
テストの項目は以下のとおり。

(1) 本体に差し込んだとき、緩くないか?
 熱収縮チューブが太い、もしくは加熱不足で収縮が不完全。
 径の細い熱収縮チューブを使うか、よく加熱して収縮させること。

(2) 本体から外した時、チューブと耳栓が分離しないか?
 接着剤が不十分、もしくは接着剤が固まる前に使用している。
 十分な量の接着剤を使い、固まってから使用する。
 また、接着剤の種類が悪いとうまく接着できないので、変えてみる。

(3) 装着してみて、音が聞こえない、もしくは音が小さい
 接着剤でイヤーピースの穴が塞がっている可能性が高い。
 竹串で貫通させてみること。

あとがき

イヤーピースの自作のメリットは、安価に作成できることだ。
自分にあった素材(耳栓)を選択でき、イヤーピース自体の長さも自由自在になる。
また、イヤーピースが入手できないイヤホンを蘇らせることができる。

イヤーピースの自作のデメリットは、危険性が高いことだ。
イヤホンを外すときにイヤーピースがすっぽ抜けると、最悪病院行きとなる。
安価なものだから、長く使わず、こまめに新しいイヤーピースを使うようにするのがベター。

参考